ホーム > E ミュージアム大阪 > 宮川香山 > 製作年代が確認できる作品 > 宮川香山 かきつばた文釉下彩花瓶


                 かきつばた文釉下彩花瓶 


     
高     さ   31.7㎝
     
製 作 年   明治32年 収納箱添書
     
時代区分   釉下彩中期
     
収 納 箱   共箱 なし
     

所   蔵

 

横浜 宮川家

   宮川香山   かきつばた文釉下彩花瓶

 
 本作品は、収納箱に明治三十二年と添書されている。従来より、そのことをもって、よく紹介されている。今回、その「明治三十二年」を器銘で解説する。

 本作品は、一目見て、宮川香山作品であり、器銘も、「眞葛窯香山製」と記されている。その収納箱に記されている。「明治三十二年」の信憑性は、宮川本家所有であることから担保されていた。

 資料1作品器銘は、その作品の銀飾りのホールマークが明治三十年とされていることから明治三十年が製作年下限である。

 資料2作品は明治三十三年パリ万国博覧会出品作品と同じタイプである。

 著名なハリリ・コレクションでも、この作品器銘が同パリ万博出品作品器銘に使用していると主張している。

 本作品の紀年書きと、資料作品1・資料作品2の器銘とは、明治三十年、三十二年、同三十三年と年代がつながる。これらの器銘の字形は筆書体の流れ字形から印鑑体の堅い字形へと変化している。それは宮川香山の器銘字形変化の一般的傾向と一致する。宮川香山器銘から考察しても、本作品の収納箱に記されている「明治三十二年」は作品製作年の確定的傍証となる。本作品は、その製作年がほぼ確認できることにより、宮川香山釉下彩完成期作品であることが証明できた。桃色地にかきつばたの釉下彩文様は、宮川香山釉下彩の典型モデルである。

 本器銘作品群は完成期作品であるゆえ、その中で美術価値の高い作品は収集の重点的ターゲットとなる。本作品はそのベースとなる。

 収納箱に記された三十二年は単に記録であること以上に宮川香山釉下彩を確定できるという歴史的意味をもつ。宮川本家が保管されていたことが幸いであった。

1200.jpg
ログイン