鷲旭日釉下彩花瓶
| 高 さ | 29.6㎝ | |
| 製 作 年 | 明治25年頃~明治29年頃 | |
| 時代区分 | 釉下彩初期 | |
| 収 納 箱 | 共箱 なし |

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宮川香山 鷲旭日釉下彩花瓶 解説 関 和男 |
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本作品は宮川香山初期釉下彩の技術・技巧が凝縮されている。その技術・技巧で旭日を表現している。 資料1作品は、明治27年日本美術協会展出品作品で、皇室のお買い上げ作品で、本作品と同じタイプの器銘である(資料1作品器銘参照)。本作品器銘は、先行する「香山製」器銘より後に使用したと考察する(資料2作品参照)。また明治29年にロンドンで銀装飾された完成タイプ釉下彩作品と同一器銘であるが、筆跡が少し異なる。これらからすれば、本作品製作年は許容の幅を持たせても、明治25年から明治29年までとなる。 本作品は、旭日に鷲のクラシックな日本文様です。波と白鷲の空間をぼかすことにより旭日を表現している。そのぼかしは、複数の釉下彩絵具が掛け合わされている。その色彩の絶妙さが白鷲をより効果的に表現している。そこに初期時代における宮川香山の技術・技巧の進展が見て取れる(資料1参照)。 本作品の文様は波・岩は釉下彩であるが、鷲の足・口ばしの黄色及び目と爪の黒色は上絵具の色絵である。釉下彩黄色は明治29年に製作技術が発表されたのであるから、宮川香山本作品に使用出来なかったと考察できる。そのことは、初期釉下彩の限界を示している。本作品の鷲の陽刻は緻密で、初期の始め頃のような、陽刻の表現に強さはない。 波は大胆かつリズミカルに描写されている。典型的な伝統文様を躍動感のある様式美として表現している。 明治釉下彩色絵具の発色が完成したのは、明治28年頃と筆者は考察している。初期時代の釉下彩の発色は寒色で色数が乏しい。釉下彩初期・完成期の違いは発色の多様性である。本作品は初期釉下彩の欠点を逆手に取っている。 本作品は釉下彩という明治の絵具で新しい陶磁器における日本美の世界を演出している。宮川香山の才能をストレートに感じさせる釉下彩初期の優品である。
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| 資料1 | 宮川香山作品 | 資料2 | 宮川香山作品 | |||||||||||
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| 青華氷裂梅花文瓶花瓶 | 釉下彩作品 | |||||||||||||
| 製作年代 | 明治27年 日本美術協会美術展出品 | 製作年代 | 明治21年頃〜28年頃 | |||||||||||
| 所 蔵 | 宮内庁三の丸尚蔵館所蔵 | 所 蔵 | 個人蔵 | |||||||||||