染付作品
清風与平は染付の技術・技巧を誇っている。その手の作品の多くに「青華」と箱書き表示されている。染付の線描・だみがすぐれ、洗練された図案を際だたせている。染付は青色と白い磁肌の調和であり、シンプルである。それゆえ、清風与平が文様デザインに優れた創意性を持っていることは染付作品によく表れている。この技術・技巧をベースにして与平の釉下彩も展開している。しかし、染付の技巧・技術は近世(江戸)ですでに完成の域に達している。染付は情緒性を求める日本的陶磁器文様表現に適し、そこでは清麗感・繊細さを表現できる。鍋島・伊万里でそのことは良く示され、中国磁器と異なる世界を持っている。
清風与平の染付技術は優れている。それは陶芸家個人の技術として捉えることができても、明治陶芸の輝きとはならない。本書の明治の美を探究する方向からすれば、与平の染付作風・技術を確認しうる染付作品を本欄に載せているにすぎない。与平染付作品の素晴らしさのすべてを伝えた訳でない。与平染付代表作品と言われる牡丹花鳥文染付瓶よりも小形什器類のほうが与平染付の良さが感じられる。
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月に竹文染付高台皿 | 蝶文染付瓶 | 蘭文染付碗 | |
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蘭文染付湯冷まし | 蘭文染付急須 | 文字文染付碗 | |
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草文染付徳利 | ざくろ文染付徳利 | ||
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三果文染付黄地瓶 | 菊文染付金彩赤地瓶 |